東アジアオーストラリア地域シギ・チドリ類重要生息地ネットワーク


世界の湿地と渡り鳥を守るために

北極圏から、赤道の南に位置するオーストラリアやニュージーランドまで大旅行をするシギやチドリの仲間は、季節によって大きな距離を移動する「渡り鳥」です。その距離は、種によっては1万キロ以上にもなるといわれています。

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群れで飛翔するシギの仲間 (C)中山 司
  北から南への大旅行

シギやチドリは、主に春と秋に日本を訪れ、主に干潟や水田、砂浜といった、水辺の自然環境、いわゆる「湿地」にやってきます。そして、浅い水辺を歩き回り、泥や砂に隠れているゴカイやカニ、貝などを食べます。

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カキをつかまえたミヤコドリ
二枚貝をつかまえた
オオソリハシシギ(夏羽)
シロチドリ
    写真提供3点とも中山 司



 また、繁殖地の北極圏では、夏の間、草原や湿原を、越冬地の南の島々では干潟や時にはマングローブなどを生活の場としています。シギやチドリは、地球の南北で、さまざまなタイプの自然環境をすみかとして生きる、とてもスケールの大きな野生生物なのです。

 しかし、この渡り鳥たちの生息地である湿地は、今世界中で危機にさらされています。

 日本や韓国では、第二次世界大戦後、わずか半世紀の間に、干潟が干拓や埋立によって大幅に消滅してしまいました。他にも、川の河口に堰が作られたり、砂浜が埋め立てられたりした結果、多くの湿地が失われてしまったのです。

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写真上:泡瀬干潟沖の埋め立て(沖縄県沖縄市)。
工事は中止されたが、堤防等は残されており、自然環境への影響が懸念されている。(C) WWF Japan/S.Hanawa

写真左:養殖池を作るための干潟の埋め立て(中国)
(C) WWF Japan/S.Tobai




  鳥たちが生きられる自然を残す

 シギやチドリが無事に長い旅が出来るかどうかは、北の繁殖地と南の越冬地、そして途中休憩する中継地のそれぞれに、健全な湿地があるかどうかにかかっています。シギやチドリは、まさに国境を越えた、湿地保全状態の「指標=ものさし」になる野生生物といえるでしょう。

(C)WWF Japan シギやチドリを守ることは、そのまま鳥たちの食物となっている、ゴカイやカニなど小さな生き物たち、ひいては湿地そのものを保全することになります。そして、多くの国の湿地とそこで生きるシギやチドリを保全するためには、多くの国の協力が欠かせません。

 そこで「ネットワーク」による、いくつかの国際的な保全の仕組みが作られることになりました。

 「シギ・チドリ類ネットワーク」は、その取り組みの一つです。

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